コミケはなくなるのか

永夜抄やったり判断材料が足りなかったり研究で忙しかったりで長いこと放って置いたんだけど。


まずはこれ。

過去の僕の日記でも少し書いたが、現在同人(オタク)系表現物のモラルは完全に崩壊している。成年指定ではないアニメ系のムック、例えば「電撃萌え王」を開けば平気で未成年女子(としか見えないキャラクター)のヌードピンナップが掲載されているし、ソフマップなどの大手小売店も露天に18禁ゲームのポスターを堂々と広げて商売をしている。


そういったものに漬かっているオタクは、元々人格形成において「他者からの視点」という概念が欠如しているので、それを「異常」だとは思った事がないのだろう。しかし、明らかに今の日本の光景は「異常」だ。

この話は結構わかる。少なくとも今の状況が正常とは思えないというか、だからオタクきもいとか言われるんだよとか思う。でも人格形成において云々というのはちょっと言い過ぎじゃねえのと言う気持ちもちょっとある。しかし、これはおそらくコミケを潰す要因にはならないんじゃないかと思う。会場問題に発展すれば別なんだけど。あと、所謂オタ系のショップとコミケの話にはあんまり関連性がないんじゃないかと思うんだけど、コミケが悪の巣窟でそれさえ取り除けばショップに対してもにらみが利かせられるとかそういう話なんだろうか。同人(オタク)系表現物と言うが、同人⊂オタクであって同人=オタクではないよな。エロゲとか。んー、これは外の人(非オタ)から見れば一緒なのかしら。

そして、マンガを買う人口は限られているとなれば、あとは客単価を上げるしかない。マンガの値段は上げられない(講談社は一部作品について「豪華版」を並行販売するという試みを行ってはいるが)、となれば同じコンテンツを使用してグッズを展開し、少しでも客単価を上げなければならない。ここで、海賊版たる同人誌に流れている巨額の金が目に入るのだ。

「あの金を回収しなければ」

海賊版問題。同人がなくなればその金がそのまま漫画とかに流れるとはどうしても考えられないんだよなー。アンソロとかそういう方向に行くんじゃねえの? 金が余ってたところで同じ単行本を何冊も買うことは通常ありえないし、だからって別作品に裾野が広がるかって言うと微妙(何とも言えない)だし。中古問題同様適当に上乗せして金を徴収するシステムがあればいいよね。一日版権みたいな。あーでも版権降りなさそうな同人誌多いからなあ。エロやおいジャンルとか厳しいよね。まあそれ以外にもまんだらけ事件(→http://blog.livedoor.jp/geek/archives/6444370.html)みたいなのもあるわけで、なかなかうまくいかないものだ。そういや同人上がりの作家とかはどうするのかな。っていうか現状漫画家ってどういうところから生まれてくるんだろう。同人誌関係からが多いんじゃないのかなー。

かくして現在のコミックマーケットには「企業ブース」なる珍妙なものが存在しているワケだが、この試みはまんまと成功を収めた。そしてキャラクターショーなどの単体イベントを行ってみて得られたものは「もう同人誌(コミケ)は我々の商売に必要無いばかりか、邪魔者である」という共通認識だった。

んでこれ。企業ブースとかキャラショーって主な客層って男だよね。今男オタのニーズは細分化してしまって大きな市場を作る力はなくなってきているみたいな話があった(→http://amanoudume.s41.xrea.com/cgi-bin/mt/archives/000155.html)と思うんだけど、どんなものかと。コミケに置ける企業ブースなんかはエロゲメーカーとかが主流というか人を集めている感があるけど、それで成功を収めたってのは(ちょっと前に出版社を引き合いに出しただけに)不完全な感じがする。


と、まあ案外コミケ大丈夫なんじゃねえのとか思うんだけど、非オタの人がこんな風に見てるとは全然思えないわけで、綱渡りなのは変わらないよねと言うありきたりな結論。少なくとも、今そこにある危機としてはこっちの方が緊急度が高い。よく言われることだけど。

将棋倒しで死者が出たとかなれば(オタを嘲笑の的にしてるだけの)マスコミなんかにかみつかれて一発だろうなあ。今のコミケだっていつ人死にが出てもおかしくないわけでってのは言い過ぎかな。でも、実際なんかあってもついに起こってしまったかと言う感想を抱くと思う。別にこれはスタッフがどうとか運営がどうとか言いたいわけではない。取り巻く環境の問題・・・かなあ。結局オタの敵はオタなんじゃないのか、と。そういう意味ではコミケが潰れるのは時間の問題と言えなくはないかもしれない。