Darsana Tokyoに行ってきた話

10年とちょっとくらい前の話なんだけれど、.hackというアニメがあった。いや本当は大本はゲームなのだけれど、結局触れたのはアニメ(とスピンオフの漫画)だけだったので。この作品では架空のMMORPG「The World」を舞台にした物語で、当時MMORPGが流行っていたこともあって、きっとこんなMMORPGがあれば面白いに違いないと思ったものだった。今だとSAOとかがそんな感じなのかな(←追いかけてないのでわからない)。MMORPGをやったことがあれば当然わかると思うのだけれど、実際にゲームをやっててあんな主人公みたいなドラマなんかほとんどのプレイヤーには起きない。結局のところ同じ世界のモブとして、日々のレベリングをやっていくしかないというのが現実なんだよね。だからたぶん当時本当に「The World」を模したMMORPGがあったとしても、「なんだこんなもんか」ということになったんじゃないかと思う。そう。当時は。


さて、前置きが長くなったけどingressである。今回のDarsana Tokyoで両陣営とも当然東京全部を沈める程度のCFは計画しているんだろうなーとはなんとなく思っていたものの、これほどの規模のものを作ってくるとは正直想像だにしていなかった。詳しい話はIngress速報でまとめられた(→http://ingress.blog.jp/archives/18719779.html)ようなのでそっちを。ここに出てきた他にも津軽海峡でも攻防があったんだろうし、表舞台に出てきていないだけで他にもたくさんの協力者がいたんだろうことは想像に難くない。事前準備だって相当なものだったはず。「本気でやるからゲームは面白い」というのはよく言われることだけれど、これは本当にそうだと思う。まあちょーっと本気のレベルが桁違いだったけどな。今回のDarsana Tokyoという物語で主人公が誰だったのかと言われれば彼らCF作成チームであったことに異論はないだろう。

じゃあ現地でポータルの取り合いをやってた俺らは何なんだと言われれば、まあ誤解を恐れずに言えば「モブ」だったと言っていいんじゃないかと思う。でも、名もなき1人のエージェントとして、目の前のポータル1つを守るというただそれだけのことだったのに、それは本当に楽しかった。R8やVRPSが入れた側から消し飛んでいくなんて環境そうそう体験できないよ。戦果は?と言われれば、自分の担当範囲は結構よい成績だったと思う。4回の計測時間合計で80%以上は維持できてたんじゃないかなー。まあこれは相手チームの主力部隊と交戦する機会がなかったおかげか、それとも単に運がよかっただけなのかというところではある。3回目の計測時のボーナスポータルへのRESの集まりっぷりはすさまじかったという話も聞いてますし。


巨大CFと言えばもうひとつ。これまでもIngress Reportとかintel map見てる人たちの間で超巨大CFが話題になることがたびたびあったりしたんだけど、その舞台ってだいたいヨーロッパ方面とかアメリカだったりで、同じゲームの中であってもどこか他人事というか、別のゲームみたいな話にしか思えなかったんだよね。それが今回は日本で! しかも自分たちがDarsanaを戦っている正にその上で! あの世界のガチ勢たちは確かに自分と同じゲーム上にいたんだな、そう思えた瞬間だった。ああそうだ。これこそ俺が10年前にやりたいと思っていたゲームだったんだ、と。まあ自分はそっち側にはちょっと行けそうもないかなーという思いもあるんだけれど。


ソロの野良でやるか、コミュニティのチームに入るかは最後まで迷ったあげくにチームに入ることにしたんだけど、コミュニティに入ってよかったなーと思ったところは2つ。

  • 情報がどんどん出てくるのを見るのは楽しい
  • 目の前のポータル確保が確実に勝利に貢献できているという実感がある

やっぱりみんなが目的に向かって準備しているというのが見えるってのはいいものでね。いまいちぼんやりとしていたDarsanaというイベントがかなりはっきりとしたのがこの最後の1週間だった。あんまり準備とかできてないんだけれど。2つめはまあ、ソロでも当日の即席チームみたいなのもあったようだし、これだけ人がいれば適当なポータルを決めてしまうのでも楽しかったんじゃないかなーと思うけれど。もっと早くから練習会とかに参加してればまた違ったんだろうけどね。次のイベントはもう少しだけ、積極的に参加してもいいかなって。