タイム・リーパー/大原まり子

なんだか読んでも読んでも話が進まないなあという印象が強かった。おかげで集中力が切れるのが早くてなかなか読み進められなかったんじゃよー。話はまあ割と面白かったし、登場人物の混乱もあまりなかった。同一人物に対し違う呼び方をするシーンではちょっととまどったけど。


これを読んでて、物語の進行と時間の進みにはなんというか深い関係があるのだなと感じた。結局のところ時間が解決してくれるさみたいな感じで。時をかける少女とか、タイムリープとかの場合、結局は主人公視点で読ませていて、その主人公の主観の時間の流れと読者の時間の流れ(≒読んだページ数)がかなり近い。タイム・リーパーの場合はそうじゃなくて、すでに一度やったある時間に対しリテイクが起こったりする。こうなると読者時間(≒ページ)と物語時間に乖離が生じて、なんだかいつまでたっても話が進まないなあという印象につながるんじゃなかろうか。あー、でもこれは時間が修正される側の人間視点で読んでた俺が悪いのかな。工事課視点(時間をいじる側)で読んでればまたちょっと違った印象を受けたかもしれない。それでも、時間を正しく修正するってのも終わりの見えない作業だから、結局いつまでも終わりの来ない物語という印象は変わらなかったかもしれないな。
つまらなかったわけではないんだけど、もう一度読みたいかといわれるとあんまり気が向かない。